東京たらればゲイ

彼氏ができればなぁ… Podcast「前髪系ゲイブロガーのBLのリアル」を配信中です

3年ぶりに恋愛感情をもったゲイの、悶絶恋心。恋愛リハビリ2日目

もうちょっと余裕をもって、恋愛できると思ってたのに……。

 


恋愛リハビリ期間のはずだったのに、いきなりデカすぎる魚が釣れてしまった〜〜!! アプリを再開して、すぐに人生史上圧倒的上位に食い込む、逃してはいけないイケメンとリアルした。逃せないよ〜〜〜〜〜。なんであんたこのタイミングできちゃうのよ〜〜。しゅき〜〜〜〜!

 


やっぱり自分は恋愛に夢中になってしまう。恋愛というドツボにはまると、知能がすぐ猿未満になる。それがアラサーになっても、たられば言っている理由だろう。肉体の年齢ばかり重ねて、中身はティーンエイジャーの頃から、何も変わっていない。

 


今日は恋愛リハビリ2日目。会えない24時間が、愛を育てすぎた。ぼくは今、もうどうにも止まらないのだ。

 

 

 

さっきまで地元の友達とドライブをしていた。

運転をしながら、ぼくは昨日あった彼との話を端折って説明しつつ、こんなことを言っていた。「今回は恋愛の炎がちょうどよい強さなんだよね〜〜〜〜☆ ぼくも大人になったってことかな〜??????(ミサワ風)ゆっくり関係を深めていきたいって思ってるトコだよーーーー!!!☆」そんな余裕ぶっていた自分は、夜が深まるにつれ跡形もなくなった。

 


ああ、シンドイ。シンドすぎる。彼に会いたい。ギューしたい。

 


でも今はとにかく、彼からのLINEが欲しい…。

喉から手がでるほど、ただ彼からのLINEが欲しい。

孫を溺愛する老人の気持ちが今ならわかる。

彼のスマホは、ぼくの目にいれても痛くないはずだ。

 


LINEは難しい。次回会うまでの5日間、なんとか正常な人間を装わなければならない。

しつこくならないように、しかし適度におもしろく、でも好きなことが伝わって、マメで、本命の恋人に値する人間を演出しなければならない。

 

 

 

ぁあ……まるで自分の胸、つまりハートだけが海底に落ちていくみたいだ。

 


「もう、ぼくへの返信がめんどくさくなったのかな……。」

「アプリで他の人を探しているんだろうか……。」

 


海底に沈む沈没船から亡霊の囁きが聴こえる。

 


夜は怖い。何かに吸い寄せられていくみたいだ。今までの経験から言って、この流れに身を委ねてはいけない。物理的な自傷をしたことはないが、「自傷に甘美」があれば、多分この先にあるんだろう。

 


どうしようもない、このパワーオブラブをどうにかしてやりたい。これほどの感情の強さは必要ない。甲子園のマウンドに立つ高校球児にしか必要ないレベルの感情パワー。日常生活をただ生きる、パンピーにこの熱いパトスは必要ない。行き場のないこのパワーを、クリーエネルギーとして有効利用したい。生まれてはじめて、地球にとって良い行いができるはずだ。

 


あ、、、クリーンじゃないか。

 

 

 

ぁあ、、、ぼくのパワーオブラブは、ぼくという容れ物に収まらない。

常に溢れでてしまっている。

源泉垂れ流しだ。

これは秘湯に違いない。

アイツにマジで入浴してほしい。

火照らせてやりたい!!!!!!!!キュン!!!

 

 

 

 


恋愛感情をもったのは、たしか3年ぶりだ。

今まで栓がされていたからだろうか。勢い良く吹き出しすぎだ。

その温泉の効能は、ウザい・ダルい・重い、だろうか。

絶望的に入りたくないじゃ〜〜〜〜〜〜ん!

 

 

 

 


ぼくは男性で、恋を患う相手は3つ歳下の男性だ。

 


アプリでメッセージがきて、昨日会った。

端的に話すと、彼はとてもハンサムで優しかった。

何を考えているか分からない人で、そこも好きだ。

ぼくは、何を考えているか分からない人は、「自分のことをまったく考えていない人」だと思っているが、ぼくは彼とキスをした。その事実が憎い。ぼくに期待をもたせてしまう。

 


少し田舎だからだろうか。21時以降、その駅は人気が少なかった。

彼は駅までの道すがら、時々止まり、なにか言いたそうにする。

 


改札の前に着いた瞬間。

「おれ、酔っ払っちゃったのかな? チューしたいな…」と言い始めた。

昨日のことなのに、もう思い出せない。あれが現実だったのか…、なんて自分は幸せな生き物なんだろう。

 

 

 

ぼくは「キスがしたい」とまでは思っていなかったが、「彼がしたいことを受け入れたい」そう思ってしまっていた。なんて自分はグズグズな人間なんだろう。自分というものがないのか? 恥ずかしいアラサーだな!!!!!! 夏の暑い日に、服のポケットに入れたままになってしまい、パッケージの中で変な形になっているチョコのようにグズグズだ。食べたくないような歪さがある。

 

 

 

人がいない、バスロータリーを囲む橋のようなところ。

明らかに男性と男性が、キスをして、抱き合い、お互いの匂いを嗅ぎ合っている。

周りが何も気にならない。圧倒的2人の時間。冷静さのかけらもない。

社会人あるまじきやつら。ソーシャルディスタンスはロストテクノロジーと化した。

 

 

 

彼は3つ下なのに、自分より大きい人だった。

大きい体に比例して、なんだかその素直さが可愛かった。

大型犬が懐いてくれたような感覚に似ている。

 


相手は犬畜生なのに、キスでぼくは陥落してしまう。

犬のじゃれあいなら、犬のままでいてくれ。

なんで君は王子に変身してしまうのか。

 


君からみたぼくは一体どんな動物なのか。

 

 

 

キスをしなければ、ぼくは、ただ恋愛感情をもたない、社会の歯車として毎日を生きる、ただの男性だったのに。大して好きでもない誰かで妥協して、それなりの恋愛をして死ぬはずだったのに。

 


こんな文章を書くぐらい、この世界の人間にさせられてしまった。

恋愛感情とは恐ろしい。

 


ぼくは、この恋愛感情を扱うことができない。

 


ぼくは、この恋愛感情をとても扱うことができないのだ。